【大会報告】世界大学オリエンテーリング選手権

初めまして。軍団員の増澤すずと申します。

 

今回は私が先日、日本代表として参加した、世界大学オリエンテーリング選手権『World University Orienteering Championship』(以下WUOCについて報告をさせていただきます。

(オリエンテーリングについては、軍団HPORIENTEERINGの項目をご覧いただければと思います)

 

WUOCは、ユニバーシアードなどの運営もしているFISU(国際大学スポーツ連盟)が主催している大会です。1978年に第1回大会がフィンランドで開催されてから隔年で開催されており21回目となる今回は1回大会ぶりにフィンランドでの開催となり、7/17-215日間にかけて行なわれました。種目はスプリントリレー、ミドル、スプリント、ロング、フォレストリレーの5種目です。私はミドル以外の4種目に出場しました。

今回の宿舎のそばにある湖。練習後には湖に飛び込んでアイシングができた。
今回の宿舎のそばにある湖。練習後には湖に飛び込んでアイシングができた。

スプリントは森ではなく市街地や公園で行なわれる競技です。

スプリントリレーは各国1チーム男女2名ずつ計4人、女男男女の順で繋ぎます。スタートの合図で地図を開き指定されたコントロールを順番にまわります。「一斉スタートってことはついていけばいいんじゃん!」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、パターン振りが存在するため、何も考えずについていくと別のコントロールに連れて行かれてしまう可能性があるため自分でナビゲーションしなければなりません。女子のトップは3.5km4:00/kmを切るスピードで走っていました。

私は1走をつとめましたが後半は頭も身体もこのスピードについて行くことができず失速してしまいました。技術面、フィジカル面ともに世界との差を実感しました。しかし、一斉スタートのスピード感は陸上部時代を思い出し、とても楽しかったです。

各国の代表選手に囲まれてスプリントリレーでスタートを切る増澤(写真中央)
各国の代表選手に囲まれてスプリントリレーでスタートを切る増澤(写真中央)
スプリントのゴールゲート。大通りを跨ぐ形で大きなゴールゲートが設けられた。
スプリントのゴールゲート。大通りを跨ぐ形で大きなゴールゲートが設けられた。

今大会は全選手がGPS端末を背負っての競技だったため、競技中は公式ホームページのGPSトラッキングサイトで選手の位置をリアルタイムで確認でき(選手は電子機器の使用は禁止されているため出走前に見ることはできません)、現地に行かなくても観戦を楽しむことができるようになっていました。

また会場には全日巨大スクリーンが設置されテレイン内にいるカメラマンが撮影する選手の映像GPSトラッキングが交互に流され、会場の実況とあわせて大変盛り上がります。

会場に設けられた特設スクリーン。定められたルートがなく、選手がどこを走るのかわからないオリエンテーリングでは、GPSトラッキングが演出手段として大きな役割を持っている。
会場に設けられた特設スクリーン。定められたルートがなく、選手がどこを走るのかわからないオリエンテーリングでは、GPSトラッキングが演出手段として大きな役割を持っている。

続いてフォレスト競技です。

ロングはコース距離9.7km、これはすべてまっすぐ進んだときの距離なので実走距離はもっと長くなります。地図の縮尺は1:15000、等高線間隔2,5m(フォレストリレーは1:10000)、2分間隔でスタートしゴールの会場を目指します。

ちなみに以前の活動報告にあったOMM LITE使われた地図は縮尺1:25000、等高線間隔10mです。

 

フィンランドの森の中は全体的に地面がスポンジの様にふかふかで、岩でごつごつの場所や膝まで埋まる湿地、突然の落とし穴などが点在しており、走るのにかなり苦戦しましたまた高緯度のため、緯度がフィンランドより低い日本に比べてコンパスの針が止まるのが遅い

私が、ふかふかな地面に足が上がらず、岩の間の穴にもはまり、必死にナビゲーションしながら走っている(もはや体力を消耗しほぼ歩いているような状態のなか北欧の選手たちはいとも簡単に岩を飛び越え、ひょいひょいと走っていき、あっという間においていかれてしまいました

単なるフィジカルの差だけでなく、不整地での走り方にも差を感じました。

フィンランドの森の様子。
フィンランドの森の様子。
フォレストリレーの地図。△がスタート地点で◎がゴールとなり、1番から順番にたどり、その所要時間を競う。リレーにはいくつかのコースパターンが振られ、選手を惑わせる。
フォレストリレーの地図。△がスタート地点で◎がゴールとなり、1番から順番にたどり、その所要時間を競う。リレーにはいくつかのコースパターンが振られ、選手を惑わせる。

トレーニング期間も含めフィンランドで充実した2週間を過ごすことができました。他国の選手や、一緒に遠征に行った日本選手からもたくさんの刺激を受け、自分のこれからの課題が明確となった実りある遠征でした。競技に集中できる環境に感謝しながら、これから体力や不整地走力の強化のためにもトレイルランニングやスカイランニングの大会に参加していきたいと思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。オリエンテーリングに少しでも興味を持ってくださった方がいらっしゃれば幸いです!

スプリントで熱走を見せる増澤 (WUOC日本代表Twitterより)
スプリントで熱走を見せる増澤 (WUOC日本代表Twitterより)